マンボウの肝油
DPAは特にアザラシの脂に多く含まれていることが一般的になったところに、さらに新たにDPAを多く含む生物が発見されることになりました。それがマンボウです。
そもそも、マンボウの肝油というものは長寿の薬として古くから珍重されていたようであり、三陸本吉沖では、昔から遠洋船の乗組員たちが常備薬のひとつとしてこのマンボウの肝油を航海に持参していたようです。
しかし、一般的にはマンボウから採取された肝油など、ほとんど知られていないのが事実です。その理由としては、マンボウは鮮度が落ちると臭みが出て不味いですし、船が汚れるといった理由から、ほとんど現地でだけで消費されてしまい市場に流通することが少なかったからです。
また、マンボウが捕れた時にそれを市場に持って行っても大したお金にはならないため、あえてマンボウを捕獲する漁師もいなかったのです。ところが、ある大学でマンボウを研究材料として使った時に、このマンボウにDPAが豊富に含まれている事が分かったのです。
このDPAはイワシやサンマ、マグロなどの魚油の中にも含まれていますが、その含有量は多くても3%程度しか含まれていないといわれており、それよりもアザラシやクジラなどの海洋哺乳類の脂質に多くのDPAが含まれていることが知られていました。
ところが、マンボウの肝臓の油にはそのほぼ2倍の量となるDPAが含まれていることが分かり、加えてコエンザイムQ10も含まれている事が明らかになったのです。これにより、マンボウの肝油というものがDPAのサプリメントの材料として、急速に注目されるようになっていったわけです。